制作のきっかけ・曲のイメージ
日沈時、まぶしいオレンジ色をするはずの空。こんなに↓柔らかな赤色をしているのは、とても幻想的に感じます。「パウダーローズ」という、色の名前をそのまま曲名にしました。さらに中央には虹がかかっています。曲の出だしの和音のフレーズはこの広い空間を見つめて、頭に流れました。ゆったりとしたテンポで、心が一休みできる曲です。

音楽制作時に考えたこと
- 伴奏として小さく演奏しているピアノは、町のビルが場所も高さも不規則に立ち並んでいるのを表現しました。「不規則に立ち並んでいる」という風景は、私には、少し複雑でリズミカルなフレーズがマッチすると感じました。
- 出だしの和音のフレーズを3回繰り返した構成になっています。1回目のフレーズを基準に考えると、2回目は途中に新しいフレーズが割り込んでいて、3回目は途中の和音まで進んで、そこの和音で曲が終わるという複雑な曲となりました。
- この曲は盛り上がりをほどほどに抑えてあります。上の写真のような幻想的で柔らかな色彩空間を表すのに、激しさはあまり必要ないと感じたからです。
- この曲は、静かに曲を進行させたことが原因だと考えていますが、初めのあたりですぐにさびになってしまうととても違和感がありました。そのため、さびとして感じられるフレーズを最後に2回続けて出てくるようにしました。よって曲の中に何度も繰り返す周期のようなものを感じにくいかと思います。この曲を初めて聞いた方は、ほぼ 「分かりづらい曲だ。」 と思ってしまうかもしれません。しかし、さびのような存在感のあるフレーズが曲の中間のあたりにあるので聴いていて退屈させてしまうことはないと思います。いろいろなフレーズが次々に出てくるのを楽しんでもらえたらうれしいです。
- 出だしの和音のフレーズの中で1つ幻想的な雰囲気を表現するために工夫したことがあります。それは、コードがメジャーセブンなのかセブンスなのかはっきり分からないようにしたことです。(具体的に言うと、B♭7のように思わせておいて、B♭major7のようにラを♭なしで響かせています。) こうすることで多少音がにごりますが、聴いたことのないような複雑な響きだと感じてもらえたかと思います。
- 今回は、やたら解説が長いですね(笑) いろいろと忙しかった分、アイディアが蓄積された状態で1曲を作ることができたのかもしれません。何か新しい音楽の材料を考える時間は大事だと思います。